自社倉庫とアウトソーシングどちらが良い?【結論:手間がかかる部分は外注しましょう】
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事業の成長や業務量の変化に合わせて、倉庫運用を見直すタイミングは必ず訪れます。
その際に、「自社倉庫のまま続けるべきか、外注化したほうが良いのか」と悩む企業様も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、特に
「自社倉庫で運用はできているけれど、コスト面で営業倉庫と比べるとどうなんだろう?」
と考えている方向けに、自社倉庫と営業倉庫のコスト比較について解説します。
なお、ここでいう「営業倉庫」とは、当社のように保管管理・出荷作業・流通加工などの物流業務をサービスとして提供している倉庫会社を指します。
目次
1.保管料【都心部で運用していない限り、自社倉庫の方が有利】
1.保管料
【都心部で運用していない限り、単価コストは自社倉庫が有利】
まず、保管料単価だけで見ると自社倉庫の方が安くなる傾向があります。
営業倉庫の保管料は、倉庫家賃を基に算出されるためです。
ただし、見落としがちなポイントが「諸経費」です。
自社倉庫や自社で借りた倉庫では、敷金・手数料・光熱費・管理費のほか、
空きスペースの発生や繁閑差による稼働率の低下なども考慮する必要があります。
したがって、単価だけで比較するのではなく、実際の稼働スペースや繁閑差を含めた総コストで判断することが大切です。
また自社倉庫は事業の拡大・縮小や在庫変動に対して固定費となるため、
柔軟に対応しにくいリスクがある点にも注意しましょう。
2.荷役料(作業人件費)
【人件費は地域ごとで異なるが、管理コストと生産性が重要】
荷役料も人件費を基に算出されるため、単純な比較では自社雇用の方が安く見えるかもしれません。
しかし、実際には採用・教育・労務管理のコストが発生します。
たとえば、パート・アルバイトを募集する際の広告掲載費、教育にかかる時間、管理者の人件費などは軽視できません。
こうした管理コストを含めて考えると、必ずしも自社倉庫が有利とは限りません。
目安としては、
常時3人以上の作業人員が必要な場合:営業倉庫への委託でコスト・手間のバランスが良い
常時10人以上の場合:管理者を配置した自社運営の方がコストに見合う場合もある
と考えられます。
ただし、倉庫家賃と同様に人件費も固定費となることにも注意が必要です。
外注化の場合、1個●円といった入出庫料の設定が主となりますので、荷役料も物量に比例した変動費になります。
3.全体を通しての考え方
【管理コストと実コストを総合的に比較する】
その他のコスト要素として、システム費用や宅配運賃があります。
多くの営業倉庫では、WMS(倉庫管理システム)などに多額の投資を行っており、1社単独で同等のシステムを開発・維持するのは非現実的です。
また、宅配運賃についても発送量によるボリュームディスカウントが適用されるため、
営業倉庫経由の方が安くなるケースが少なくありません。
1個あたり数百円の差が出ることもあるため、運賃交渉をした上で比較するのがおすすめです。
さらに、新たに自社倉庫を構築する場合は、マテハン機器(荷物搬送・仕分け用の設備)への初期投資も発生します。
4.まとめ|手間がかかる部分は外注しましょう
■保管料
単価だけでなく、実際の稼働率や付随する経費を含めて比較することが重要です。
自社倉庫は拡大・縮小への柔軟性が低いため、その点はリスクとして捉えておきましょう。
■荷役料(作業人件費)
労務管理コストや募集広告費など、採用・管理にかかるコストを含めて総合的に判断する必要があります。
特に物量に繁閑差がある場合は、固定費から作業量に応じた変動費にすることで売上に応じた物流コストとなります。
■宅配運賃・システム費用
ボリュームディスカウントが利く項目は、営業倉庫を利用した方が有利になるケースが多いです。
古くからの特別条件がある場合を除き、営業倉庫への委託を検討する価値があります。
事業のフェーズや繁閑差に合わせて、部分的に外注する方法も有効です。
たとえば、「流通加工だけ委託する」「繁忙期だけ利用する」など、外注コストを抑えつつ効率化できる選択肢もあります。
また、自社倉庫と営業倉庫を併用する「ハイブリッド運用」も効果的です。
自社倉庫は在庫ストック用、日々の出荷作業は営業倉庫へ委託するなど、役割を分けることで、出荷業務や人員管理の負担を軽減しながら、在庫量を適正化し、コスト増を防ぐことができます。
このように手間のかかる部分から外注を始めることで、リソースの最適化を進めていくことができます。
当社としても、お客様が本業でより多く利益を残せる形での取引が長続きすると考えています。
ワタナベ流通では、倉庫移管を専任担当がサポートします。
業務フローや移管ロードマップをご事情を伺いながら丁寧に作成していきますので、はじめての外注でも安心です。
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