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物流コラム

多品種小ロット時代に求められる物流戦略とは ―在庫の持ち方の変化が物流現場に与える影響 ―

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近年、在庫の持ち方や物流の考え方が大きく変わりつつあります。

「売上は大きく変わらないのに、現場が以前よりも忙しい」

「SKUが増え、在庫管理や出荷が複雑になった」

こうした違和感を覚える場面が増えているのであれば、その背景には多品種小ロット化という大きな流れがあります。

 

これは一時的なトレンドではなく、今後も続く構造的な変化です。
本コラムでは、多品種小ロット化が進む理由と、それが物流現場にもたらす影響、そして取るべき実践的な戦略について整理します。

 

 

目次

1.多品種小ロットとは何か

2.なぜ多品種小ロット化が進んでいるのか

3.多品種小ロット生産のメリット

4.多品種小ロット化が物流現場に与えるデメリットと課題

5.営業倉庫が果たせる役割

6.まとめ| 多品種小ロット時代の物流は「経営戦略」である

 

 

1.多品種小ロットとは何か

多品種小ロットとは、SKUごとの在庫量を抑えつつ、取り扱う品目の種類を増やす在庫・供給の考え方です。従来の大量生産・大量在庫モデルとは異なり、初回ロットを抑え、売れ行きを見ながら補充することで、在庫リスクを抑制します。物流現場では、保管点数やピッキング件数が増え、管理や作業の複雑さが増すことが特徴です。

 

 

2.なぜ多品種小ロット化が進んでいるのか

多品種小ロット化は、単一の要因によって起きているわけではありません。

背景には、消費行動・商品設計・販売チャネルの変化が重なっています。

まず、消費者ニーズの多様化です。

画一的な商品よりも、用途やシーン、自分に合った仕様が求められるようになり、商品バリエーションは細分化しました。その結果、SKU数は自然と増加しています。

 

次に、商品のライフサイクル短期化があります。

流行や市場変化のスピードが上がり、大量に作って長期間販売するモデルは、在庫リスクを伴うものになりました。初回ロットを抑え、売れ行きを見ながら補充する動きが一般化しています。

 

さらに、EC・D2Cの拡大も無視できません。

オンライン販売ではSKUが増えやすく、注文は1点単位・多頻度になります。これは在庫の持ち方だけでなく、出荷作業の構造そのものを変えています。

 

これらが重なり、「在庫は分散し、動きは細かく、回転は早い」という状態が常態化しつつあります。

 

 

3.多品種小ロット生産のメリット

多品種小ロット化により、消費者ニーズに柔軟に対応でき、欠品や余剰在庫のリスクを低減できます。また、商品ライフサイクルが短期化しても、初回ロットを小さくすることで在庫の圧迫を避け、売れ行きを見ながら追加生産が可能です。

結果として、販売機会の最大化や、キャッシュフロー改善にもつながる運用が実現できます。

 

 

4.多品種小ロット化が物流現場に与えるデメリットと課題

 

① 在庫管理の複雑化

SKUの増加により、在庫把握やロケーション管理、期限管理がより複雑になります。欠品・過剰在庫を防ぐ仕組み作りが不可欠です。

 

② 出荷作業の非効率化

注文1件あたりの明細数が増えるため、ピッキングやセット作業の負荷が高まり、人的ミスや遅延のリスクも増えます。作業標準の策定や工程の分解、作業動線の最適化により効率性を担保する必要があります。

 

③ 人員管理と繁閑差の課題

繁忙期と閑散期の差が大きくなるため、採用・シフト・教育コストを総合的に考えた柔軟な人員運用が必要です。固定費化せず、繁忙期のみ外部人材や営業倉庫を活用するなどの変動費化が、現場の柔軟性とコスト抑制に直結します。

 

④ 物流コストの全体最適化

作業単価だけでなく、運賃や資材費、システム費用も含めたトータルコストで評価することが重要です。現場運用の効率とコスト削減のバランスを常に意識する必要があります。

 

 

5.営業倉庫が果たせる役割

こうした課題に対して重要なのは、すべてを自社の現場だけで解決しようとしないことです。
多品種小ロット化が進む環境では、在庫量や出荷量の変動、SKUの増減に応じて、物流機能そのものを柔軟に組み替えられるかどうかが、現場の安定性とコスト構造を左右します。

 

そこで有効な選択肢のひとつが、営業倉庫の活用です。

 

営業倉庫は、単なる保管場所ではありません。
多品種小ロット時代においては、変化を吸収するための調整弁として機能します。

 

 ・SKU増減への柔軟な対応

 ・出荷波動への即応

 ・WMSを活用した管理精度の確保

 ・作業人員・設備のスケール調整

 

こうした役割を部分的に取り入れることで、現場の負荷とリスクを抑えながら、事業成長に対応することが可能になります。

 

多品種小ロット化は避けられない流れです。
だからこそ、「どう耐えるか」ではなく、「どう仕組みで吸収するか」が、これからの物流戦略の鍵となります。

 

 

6.まとめ|多品種小ロット時代の物流は「経営戦略」である

多品種小ロット時代の物流戦略は、現場改善に留まらない、経営戦略そのものです。

在庫・人員・コストをどう設計するかによって、企業の収益構造と成長余地は大きく変わります。

 

営業倉庫の活用は、その選択肢のひとつに過ぎませんが、固定費を抑えつつ柔軟性を高める手段として、今後ますます重要性を増していくでしょう。

 

物流を「コスト」ではなく「競争力」として捉え直すことが、多品種小ロット時代を勝ち抜く鍵となります。

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ワタナベ流通は繁閑差の激しい教育業界の物流で、波動に対応できるノウハウを蓄積してきました。

書籍、教材、文具、備品、ペット用品などの管理実績があり、

細かくタイプが分かれているものの保管管理

多数の商品を組み合わせてセット化する流通加工

などを得意としています。

 

「今の物流体制がこの先も持つのか不安」「現場負荷が限界に近い」と感じている場合は、こちらから現状やお悩みをお聞かせください。


 

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