繁忙期に強い物流体制を構築するには?アウトソーシングの活用法
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繁忙期の物流では、出荷件数の急増により人員不足や倉庫の逼迫、誤出荷・遅延といった課題が発生しやすくなります。効果的な対策が、物流アウトソーシングの活用です。専門事業者に、保管・流通加工・発送代行まで委託することで、出荷対応を効率化しつつ品質を維持できます。
本コラムでは、繁忙期に強い物流体制を構築するためのポイントと、アウトソーシング成功事例を紹介します。
目次
1.繁忙期に起こりやすい物流の課題
多くの企業にとって、繁忙期は売上を大きく伸ばすチャンスです。しかし同時に、物流現場では大きな負荷がかかり、以下のような課題が発生しやすくなります。
①出荷件数の急増による人員不足
セールや年末商戦、年度替わりや新学期の季節などには通常の数倍の出荷が発生します。短期間だけ大量のスタッフを採用・教育するのは現実的に難しく、現場がパンクするケースも少なくありません。
②倉庫スペース不足と在庫管理の煩雑化
繁忙期に合わせて大量の商品を仕入れると、倉庫が一杯になり、ピッキングや在庫確認に時間がかかります。誤出荷や在庫ロスのリスクも高まります。
③誤出荷・遅延などの品質リスク
人手不足や作業ミスによって、誤出荷や配送遅延が増えると、顧客満足度が低下し、クレーム対応に追われることになります。これはブランドの信用低下にも直結します。
2.繁忙期対策としてのアウトソーシング活用のメリット
こうした課題を解決する方法の一つが、物流業務のアウトソーシング(外注・委託)です。専門の倉庫事業者や3PL(サードパーティ・ロジスティクス)を活用することで、繁忙期の負担を大幅に軽減できます。
①倉庫保管から流通加工・発送まで一括対応
外部の物流パートナーに依頼すれば、保管・ピッキング・梱包・流通加工・発送までワンストップで対応できます。特にイベントグッズ・会場備品などのセット作業、値札等のラベル貼り、ノベルティの動作確認など、繁忙期特有の加工業務も任せられる点は大きなメリットです。
②波動に合わせた柔軟な人員配置
繁忙期と閑散期の差が大きい物流業務では、自社だけで人員を抱えると固定費が高くつきます。外注であれば、繁忙期には臨時人員を確保し、閑散期には縮小するなど、柔軟な運営が可能です。
③コスト最適化と固定費削減
倉庫や人員を自前で用意する場合、設備投資や採用コストがかさみます。アウトソーシングなら必要な分だけ利用できるため、固定費を変動費化し、コストの最適化につながります。
3. アウトソーシングを成功させるポイント
アウトソーシングを単に導入するだけでは、期待した効果が得られない場合もあります。成功させるための重要なポイントを整理しましょう。
①繁忙期の出荷量を事前に予測する
物流パートナーに正確な出荷予測を共有することで、倉庫スペースや人員の手配をスムーズに進められます。特にBtoBでは、イベント日程や販促計画と物流計画を連動させることが店舗側の受け入れ体制構築にも繋がります。
②対応できる業務範囲を確認する
保管・ピッキング・梱包・発送代行だけでなく、流通加工や返品対応など、自社に必要な範囲を任せられるかどうかを確認しましょう。繁忙期にしか発生しない作業がある場合も、事前に相談しておくことが大切です。
③物流品質を見極める
アウトソーシングの効果を最大化するには「在庫精度」などの品質指標を確認しましょう。またイレギュラー対応などのサポート体制を知っておくと良いでしょう。繁忙期でも品質を落とさない業者を選ぶことが、顧客満足度の維持につながります。
4.事例紹介|繁忙期対応を強化した成功例
【専門書出版社の教科書出荷対応】
ある出版社では大学で教科書として使われる専門書籍を多く発行しており、前期・後期の学期始めには注文が通常の5倍に増加。自社倉庫ではスペースの確保や品質の維持が難しく、アウトソーシングに踏み切りました。結果、物量に連動した物流費の最適化を実現し、在庫精度を維持したままスピーディに出荷を完了できました。
【学習塾のシーズンに合わせた流通加工】
学習塾では、学年の切り替わりや特別講習に合わせてテキストや備品の発送があり、年々物量が増加。会場別・教室別・個人別と多数のアイテムを細かく仕分けするために、人員確保や作業教育にかかる手間が膨れ上がっていました。
多品種小ロットの物品管理に慣れている倉庫に流通加工ごとお願いすることで、仕分け・発送に関わっていた時間を大幅に削減し、教室運営に集中することができました。
まとめ|繁忙期に強い物流体制はアウトソーシングで実現できる
繁忙期は企業にとって大きなチャンスであると同時に、物流リスクが最も高まる時期でもあります。
・出荷急増による人員不足
・倉庫スペースや在庫管理の混乱
・品質低下やクレームリスク
こうした課題に対して、物流アウトソーシングを活用することで、人・倉庫・システムを柔軟に最適化できます。結果として、自社は販売やマーケティングなど本業に集中でき、顧客満足度の向上にもつながります。
繁忙期に強い物流体制を構築するために、まずは信頼できるパートナーを探し、早めに準備を始めましょう。
ワタナベ流通は繁閑差の激しい教育業界の物流で、波動に対応できるノウハウを蓄積してきました。
資格試験等に関わる物品・備品等も取り扱っており、個人情報を含む流通加工も可能です。
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業務フローの整理や移管ロードマップの作成からお手伝いできますので、はじめてのアウトソーシングを検討されている方もぜひお気軽にご相談ください。